Ankerの「Anker SoundBuds Sport」は、Bluetooth 4.0対応でIPX4の防沫性能を有するスポーツ向けワイヤレスヘッドセットだ。
本体機構は、ドライバやBluetoothユニット、バッテリーなどが格納されたシェルと、左右のシェルを繋ぐケーブルで構成されているネックバンド型となっており、快適な装着感と運動時の安定性を実現する。IPX4の防沫性能は、「あらゆる方向からの飛沫による有害な影響がない」とされており、突然の雨や汗をかく運動時での使用でも故障しにくいのが特徴だ。
パッケージには、Micro USBケーブル、イヤーチップ(S/M/L)、イヤーホック(S/M/L)、フィットクリップ、トラベルポーチなどが付属。左右のシェルユニットを背面で合わせると、マグネットにより互いにくっつくので、収納時、持ち運び時にばらけて絡まったりするのを軽減できるほか、首にかけた状態で留めておけるので必要な時にすぐ使う事もできる。
USBのアイコンのカバーを外すと、micro USB端子あり、ここにmicro USB-USBケーブルを使用してPCやUSB-ACアダプターなどと接続し充電する。充電には100mA(0.1A)以下の最小出力が必要なので、モバイルバッテリーでは充電できない場合もある。どうしてもモバイルバッテリーを使用したい場合、スイッチ式でONにしたら給電し続けるIoT機器向けモデルなど自動的に給電を停止しないバッテリーを利用するのが良いだろう。
右側のユニットに電源、左型のユニットにmicro USB充電ポートとボリュームボタンが配置されている。電源ボタンを長押しして、青色LEDが早く点滅する状態でペアリングモードになる。iPhoneやiPadなどのiOS機器では、「設定」アイコンから、Bluetoothの項目にて表示されるデバイス名をタップするとペアリングは完了する。
3サイズのイヤーチップとイヤーホックにより、装着感やホールド感はかなり自分好みに調整できる。スポーツ用途として想定する場合、完全に耳を塞がないようイヤーチップのサイズを調整するとともに、イヤーホックによって落脱を防止する、通勤用は音漏れしにくいようフィット感高めのイヤーチップを使用しつつ、すぐに着脱できるようイヤーホックは使用しない、もしくはゆるめのイヤーホックを使用する等よく使用するシーンを想定していろいろ試すのも良いだろう。
操作に関しては、右ユニットの電源ボタンのクリックで再生・停止、ダブルクリックでスキップ、左ユニットのボリュームボタンで音量調節の操作が行える。着信時は、電源ボタンのクリックで着信、終話が行える。操作ボタンがユニットに備わっているので、手探りで操作する場合でも「アタリ」が付けやすく、操作しやすい。
ケーブルはフィットクリップを使用して適切な長さにまとめる事ができる。イヤーチップ、イヤーホックを合わせても14gと軽量なので自重で耳から外れてしまうなどと言った事も少なく、それでいて8時間の連続稼働を実現しているので、通勤通学時の使用、帰宅してからのワークアウトなど1日使い続けても充分なバッテリー持続時間だと言えよう。
肝心の音質に関して言えば、スポーツモデルという事、防水性能があるという事、Bluetooth接続だと言う事を考えると抜群に高音質、と言うわけではない。数年前の普及型A2DPモデルのBluetoothヘッドセットに近い印象で、シビアに評価すると低音域がこもりがちで高音域に伸びがないなど辛めのレビューとなるが、ジョギングなどのスポーツ用途、通勤通学などのイージーリスニングとしては必要充分な音質で、Amazonでの直販価格である2,599円を考慮すると悪いとは言えない。
防水性能があるのは、スポーツ用途だけでなく、急な雨やアウトドアでの使用にも対応できるので、非常にありがたい。その上で、そこそこの音質で安価であるというのは(水没などの)万一の故障で失ってもそれほど惜しくないという面で安心して普段使いができるだろう。高音質を求めるのか、タフさを求めるのか、このモデルで試してから次のステップに進むというスタートアップモデルとしてもよいだろう。