アレルギーの原因となるハウスダストには、食べ物のかけら、フケや角質などの老廃物、それらに発生したカビやそれを目当てに寄って来たダニなどの微生物およびそれらの死骸などが含まれるという。それらが人の皮膚や粘膜に付着したり、吸い込んだり口に入る事でアレルギー反応を起す事があるという。ハウスダストを摂取しないようにするには、こまめな掃除が欠かせないが、どんな掃除機を使用するのが良いのか、ダイソンのショールームにて開催されたセミナーを取材した。
エフジーシー総合研究の川上祐司氏によると、日本の住環境や生活習慣の変化により、ダニやカビなどハウスダストの発生しやすい環境、状況が増えてきているという。主な要因としては、鉄筋コンクリートのマンションなど高気密で湿気がこもりやすい建物が増えた事、ベッドの使用など高温多湿でハウスダストがたまりやすい生活様式が普及した事、畳のい草などの素材を輸入に頼るようになって、それらの素材に害虫が含まれている場合がある、などとの事。
そんな微細なハウスダストを掃除するにはどうしたら良いかと言うと、「集塵力の高い掃除機でこまめに掃除する」ことが確実なのだそうだ。微細なダニは寝具の繊維の間を移動するなど目に見えず、非常に小さいために、繊維の奥深くまで入っているなどで掃除機で吸いきれない場合がある、その掃除機もフィターの目詰まりで吸引力が落ちる、など掃除機の性能にも依存するという事で、最後まで吸引力が落ちないダイソンのハンディ掃除機「DC61」の紹介となった。
実験では、ハウスダストに見立てたベビーパウダーをマットレスに捲き、手で擦り込んだあと、その上からシーツを被せ、吸引するという方法をとった。これは、シーツの更に下にある敷き布団などに入り込んでいるハウスダストを吸引するという状況を再現している。比較対象の掃除機として、レイコップの布団掃除機「RS-300」を使用。ダイソン製の掃除機はハンディタイプの「DC61」を使用。レイコップは新品、満充電の状態、パワーモードで5往復を行い、ダイソンはある程度の
川上氏は、「効果的な布団掃除には、午前10時から午後2時までの約4時間、表と裏を返しながら(可能であれば4面全部を表に当てる)干し、その後に掃除機をかけるのが良い。布団は人の汗などで湿気ているので、その状態では吸引されにくい。布団を乾燥させることで、(ハウスダストも乾燥して)より吸引しやすくなるだろう」と、布団掃除のコツも教えてくれた。
ダイソンのシニアデザインエンジニア、マーティン・ピーク氏によるダイソンの掃除機の技術的な説明も行われた。ダイソンのユニークな集塵装置のデザインが、吸引したダストを分離してダストのみをキャニスターに落とし、清浄な空気を排気しているという。もちろんフィルターも備わっているが、今回の実験程度ではフィルターには汚れが付着していない状態(比較対象の製品は、一回の実験でフィルターが目詰まりした状態)だった。
エフシージー総合研究所では、春と、夏と、秋の三回にわけてハウスダストの実態調査を行うということで、今回集められたメディア、ブロガーの面々もテスターとして協力する事になった。寝室と布団の含まれるゴミ(ダスト)を定められた手順で吸引し、それを研究所に送り、その中に含まれるアレルゲン(ダニなどの種類や量)を分析すると言う事だ。iPod Styleでもこの実態調査に協力する事になったので、経過に関しては適宜ご報告したい。