ロジクールの「SLIM COMBO」は、角度を自由に調整できるスタンド付きのケースにキーボードがセットとなったiPad Pro用キーボードケースだ。
Smart Connectorテクノロジーに対応したバックライト付きキーボードと、スタンド一体型のケースのの組み合わせで、ケースにはApple Pencilを持ち運ぶためのループも用意されている。Smart Connectorテクノロジーでは、ペアリングの必要はなく電源もiPad Proから供給されるので、装着したら即、キーボードが使用できる。
バックライトは、タイピングをする際に手をキーにかざすと点灯、使用しないときは消灯している。キートップの文字、希望とキートップの枠が光によって照らし出されるので視認性が良い。
キーボードはマグネットで装着され、着脱が容易。iPad Pro 10.5インチのWi-Fi+CellularモデルにSLIM COMBO装着状態では約1,005gと1kg超の重さだが、キーボードを外すと約677g。片手で持ってApple Pencilで手書きしたり、電子書籍を読むなどの際にはキーボードを外すと良いだろう。
「タイピングモード」からキーボードを外した「表示モード」。スタンドはある程度の角度調整ができるので、動画をみたり、資料を閲覧するなどの目的に応じて調整することが可能。スタンドを折りたたむとで、Web閲覧や電子書籍の購読や、Apple Pencilでの手書きなどの作業に適した「リーディングモード」として使うことができる。
長期的に使用するなかで、短期レビューでは得られない利点や問題を感じることができた。まず、最初に気づくのは折りたたんだ状態でそれなりに厚いということ。閉じた状態でiPadのスクリーンとキーボードの間に5mmほどのクリアランスがある。それによってスクリーンにキーボードの跡がつかないのは良いのだがそこまでの必要があるのだろうかと疑問に思ってしまう。また、マグネットで装着され、柔らかな樹脂でできているフラップだと、閉じた状態でキーボード部とケース部が擦れてしまう。それによってキーボードのパームレストに擦り傷がついてしまっている。
一方、打鍵感はかなり良いと言える。19mmのフルピッチ、1.5mmストロークのキーボードは、タイピングでメモをとる際にも快適にタイピングすることができる。iOSとしての入力、変換の癖を体得してからはMacBook Proなどでタイピングするのと同程度の入力効率を得られた。取材メモや記事のテキスト入力などの用途ではMacBookの代替となりえるので、使い分けることで、最終仕上げや写真の加工などMacBookなどPCならではの作業にバッテリーリソースを使える。iPad Proはバッテリーの持ちも良いので、アンプラグド環境で作業をする際のメインマシン(MacBook Proなど)と併用することで、長時間作業環境を維持することができるだろう。
価格も15,000円台からとモデルによって多少異なるがこの機能とクオリティを考えると妥当と言えるだろう。iPad Proは、10.5インチモデルが出たことで、Apple Pencilの存在感も増してきた。Apple Pencilを活用しつつ、キータイピングも重要と考えるユーザーにとっては十分に選択肢としてありえる製品だろう。