クリプシュの「Klipsch R6 Bluetooth」は、通勤通学などの普段使いから本格的な音楽鑑賞まで、ワイヤレスで聴くという用途においてはかなり満足できるBluetoothヘッドホンだ。
ベースとなってるヘッドホンはおそらく「Reference R6」で、耳掛け式のスタイルで補聴器のようなユニットからドライバユニットが出ているスタイル。ドライバユニット部に無理やりBluetoothやバッテリーパーツを押し込めるよりも自由なドライバ設計ができるほか、すでにレビューが済んでいるドライバをそのまま採用できるので、音質や機能の面でコストを抑えながらも最大限のパフォーマンスを実現しているように思う。「Klipsch R6 Bluetooth」は、「Reference R6」同様ダイナミックドライバを採用しており、素直でバランスの良い性質をそのままワイヤレス(Bluetooth)化したような仕上がりとなっている。
連続再生時間は、最大約8時間(充電時間:約1時間)、連続待受時間は最大約250時間と充分なレベル。リモコン部にマイクが備わっており、cVc(Clear Voice Capture)によるノイズキャンセルで、クリアな通話を実現。このcVcによるノイズキャンセルは、音楽視聴時のノイズキャンセルではなく、通話時のマイクが拾う音声へのノイズキャンセル機能なので勘違いしないように気をつけたい。
装着感は見かけよりもかなり良い。自然とshureがけ(ドライバから出るケーブルを、そのまま垂らすのではなく耳の上からかけるように回して装着する)できて、そのままケーブルのテンションをユニットの重量で支える感じになるので一度収まりを決めたら安定感は高い。ただし、メガネとの併用は若干厳しい装着方法で、イヤホンをセッティングした後にメガネを差し込むなど人によって工夫が必要になるとおもう。
ケーブルクリップも備わっているが、使用しないで余長をもたせていた方がリモコン操作する際にはやりやすい。標準のケーブル長でも計ったようにちょうど良い感じなので余って邪魔ということを感じない。ケーブルはそれほど長くないことも手伝って、絡みにくくタッチノイズも少ないところも高評価なところだ。
肝心の音質だが、Bluetooth4.0のA2DPプロファイルとして、SBC、AAC、aptXに対応していることもあり、iPhone 7 (iOS 10)においてもかなりのレベルに仕上がっている。低音域では迫力が感じられ(ボワボワしない)メリハリのある感じがあり、中音域も豊かに再現される。高音域の抜けもよく、多くのジャンルの曲において気持ちよく聞くことができる。感覚値としては、それなりの有線ヘッドホンに匹敵するレベルと言っても過言ではないだろう。