Inter BEE 2012 レポート:ATOMOS ブースレポート
ATOMOSブースでは、フィールドモニター兼HDMIレコーダー「NINJA 2」とフィールドモニター兼HD-SDIレコーダー「SAMURAI」そして、バッテリー駆動の小型SDItoHDMIおよびHDMItoSDIコンバータ「CONNECT」および参考出品として「RONIN」が展示されていた。
コンシューマーからプロフェッショナルまで幅広く対応するATOMOS製品が勢揃い
ATOMOSブースでは、従来から発売されているフィールドモニター兼HDMIレコーダー「NINJA 2」とフィールドモニター兼HD-SDIレコーダー「SAMURAI」に加え、バッテリー駆動の小型SDItoHDMIおよびHDMItoSDIコンバータ「CONNECT」が稼働状態で展示されていた。
Inter BEE 2012動画レポート:ATOMOSブース
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「NINJA 2」「SAMURAI」「CONNECT」は、いずれもバッテリー駆動が可能。SONYのNP-F900シリーズバッテリーと互換性があるので、相互に使用できる他、NP-F900シリーズのAC Adapterを使用する事も可能。屋外でのロケ、ライブ配信では電源の確保も課題で、長いケーブルを引いたり、発電機や蓄電池を導入するなど手間やコストがかかってしまうケースが多いので、バッテリー駆動できるデバイスと言うだけで、同様の製品よりも製品選択のアドバンテージとなると思われる。
「NINJA 2」は、HDMI入力された映像信号を、Apple ProResコーデックで収録することが可能なレコーダー。4.3インチのタッチパネルスクリーンが内蔵されており、収録した映像をその場で確認するなどの操作や各種設定が行える。Apple ProResコーデックで収録されるので、FinalCutProなどで即座に編集できる。家庭用ビデオカメラや一眼レフでもHDMI端子のある製品は増えてきているが、Macで取り扱うにはファイルを変換するなどひと手間が必要だった。そんな場合「NINJA 2」を使う事で収録時間およびファイル変換を気にする事無く撮影することができる。また、NINJA2よりタイムコード記録、HDMI出力にも対応し、他のモニターへの出力などにも対応。価格は99,800円。
「SAMURAI」は、HD-SFI入力された映像信号を、Apple ProResコーデックで収録することが可能なレコーダー。5インチのタッチパネルスクリーンが内蔵されており、収録した映像をその場で確認するなどの操作や各種設定が行える。NINJA同様Apple ProResコーデックで収録されるので、FinalCutProなどで即座に編集できる。HD-SDIに対応した事により、REC/STOPの連動や、SDIループアウトなどのプロの現場で求められる機能がきちんと搭載されている。価格は159,800円。いずれも、キャディと呼ばれるカートリッジにHDDもしくはSSDを収納し、ホットスワップで着脱可能。収録後、付属のキャディ・ドッキングステーションによりPCに取り込んで使用する事が可能。
「CONNECT」は、非常にコンパクトなボディに1時間駆動できるバッテリーを搭載したSDItoHDMIおよびHDMItoSDIコンバーター。「NINJA」「SAMURAI」シリーズと同じバッテリーを使用でき、最大32時間の単独稼働が可能。もちろん、「NINJA2」「SAMURAI」のバッテリーマウントにも接続する事が可能で、自身のバッテリーを「NINJA」「SAMURAI」へ供給したり、増設バッテリーとあわせて全ての機器をバッテリー駆動させる事も可能。長時間駆動でも発熱は少なく、安定した動作と低レイテンシ(msレベル)を実現していると言う。価格は39,800円。
「RONIN」は、SAMURAIベースのフィールドモニター兼HD-SDIレコーダー。HD-SDIの入出力に加え、XLR(キヤノン)端子も設けられており、ミキサーからの音声を直接取り込む事も可能になるという。NINJA、SAMURAIと同様のバッテリー駆動が可能で、「CONNECT」を併用する事で、HDMI出力にも対応する。また、「RONIN Duo」という製品を併用する事で、ディスク容量がいっぱいになった場合、自動でDuo側のディスクに継続して収録を行うなどの可用性も確保されるとの事。ラックに収納できるよう、操作パネル類はフロントに、接続端子類は背面にまとめられている。
既に、フィールドモニターやレコーダー、コンバーター類は他社製品が複数リリースされており、所有、利用しているユーザも多いかと思うが、「NINJA2」「SAMURAI」「CONNECT」の利点は、全て互換性のあるバッテリー(およびバッテリーマウント)で動作すると言う事が挙げられる。現場ではそれぞれの機器がバラバラでケーブルなどもごちゃごちゃしがちになるので養生テープで巻くなどの力技も見られるが、「CONNECT」はNINJA2、SAMURAIにジョイントできるマウントを持っているのでケーブリングもシンプルになり、機動性が向上するだろう。発熱が少ない事や、長時間のバッテリー駆動など、安定稼働に必要な要件も満たしている。また、なんと言ってもコストパフォーマンスが圧倒的に良いのが嬉しい。その他、「RONIN」などはフィールドから一歩引いてスタジオやラックを組むような大規模な案件にも活用できる可能性を秘めている。今後のラインナップが期待される。