防災アプリ特設コーナーでは、複数のアプリ開発ベンダー、自治体による防災アプリのデモ、展示が行われていた。
大きく大分して、安否確認アプリ、被害状況確認(報告)アプリ、避難情報(地図連動)アプリなどが目立っていたが、残念ながら特筆すべきメーカー・アプリはなかった。
安否確認アプリの問題点としては、震災後に送られてきたメールのURLにアクセスして、安否や怪我の有無、出社可能かどうかなどの詳細な情報をフォームで送信するというタイプのものが主流なのだが、そもそもフォーム入力できないほどの状況、怪我、それどころでない状況において、全く意味をなさない。あくまでも会社(役所/組織)の都合が優先されていて、本当の意味での構成員の安否を確認したいという意志が感じられなかった。
役所(市や区など)が住民向けに提供するアプリは、安否確認のものよりは有用な仕上がりになってはいたが、市区(自治体)毎に、アプリの仕様が異なっている、市や区のWebページ(防災関連)の抜き刷り的な情報しかないなど、こちらも課題は多い。自治体ごとに表示方式や表示する情報に差があると、近隣の市区にまたがって移動しなければならない人、勤務場所と居住エリアが異なる人などは複数アプリをそれぞれのフォーマットで確認しなくてはならず、非常に不便を強いられる事になる。必要な情報、表示方法を統一して、それをベースに自治体独自の情報を付加してゆくなどのリーダーシップが求められるのではないだろうか?