SONYの手回し充電に対応した非常用ラジオは、太陽光充電・USB AC充電対応の「ICF-B88」と、ソフトライトを搭載した「ICF-B08」の2種類が現時点でのラインナップ。
SONYは、前身の「東京通信工業」で日本初のトランジスタラジオを開発するなど、ラジオ製品には定評がある。2006年5月には、手回し充電できる防災ラジオ「ICF-B01」をリリース。今回のモデルは4世代目で、内蔵バッテリーと乾電池によるスマートフォン充電に対応。micro USB-USBケーブルが付属し、携帯アダプタによって、au/docomo,SBMのフューチャーフォン充電にも対応。iPhoneも、純正Ligtningケーブルもしくは、micro USB to Lightning変換コネクタで充電することができる。
単三乾電池を使用するので、万一の際にも電池の手配が容易なのも良いポイントだ。前モデルまでは単四乾電池だったので、嬉しい改良。この一点のみでも評価できる改善点だ。乾電池でのスマートフォンの充電は、約16時間の連続待ち受け、約25分の連続通話が可能。乾電池2本分の電力供給なので、その容量は推して知るべしというところか。ICF-B88(ソーラー充電付きの黒いモデル)では、ソーラー充電と外部電源による充電にも対応しており、内蔵バッテリーが満充電の状態では、乾電池を使用するのと同じくらいの充電が可能。
ICF-B08(写真では白いモデルの方)は、ソフトライトが付いているので地図を読んだりシェルター(ツェルト等)で明りが欲しい時などにも便利だ。強い光ではない故にルームライトとして使うのに便利で、その光の柔らかさ故にリラックスできる。LEDランタンがあれば不要な機能ではあるが、これがある事でLEDランタンを別途持たずに済む。
FM/AM両方が入るのも良い。コンパクトな製品では、FMのみAMのみのラジオも多く見受けられるが、電波の入りや情報収集の多様性を確保するためにも、より多くのチャネルが受信できた方が万一の際には良いかと思う。ソーラー充電付きの「ICF-B88」なら、外部電源による充電が可能なので、普段使いではAC接続で使用し、万一の際にはそのまま持ち出して使用できる。ソーラー充電パネルが付いているので、手回し充電が難しい年配の方、子供がいる世帯でも気にする事無く使用することができる。
非常持ち出し袋などに常備するなら、ラジオだけでなく複数のライトが備わっているなど用途の幅が広い「ICF-B08」の方が良い気がする。いずれのモデルもホイッスルが付属しているのが良い。中々の音量が出るので緊急時には役に立つレベルなので、ポーチにしまい込んでしまわずに、紐を付けて身につけるなどする事をおススメする。キャリングポーチが付属しているので、そこに付属のUSBケーブルや充電コネクター、そして予備の乾電池を数回分入れておくと良いだろう。
全てのモデルがIPX4相当の防滴性能があり、シャワーや雨などの水しぶきなどがかかっても大丈夫。避難中に屋外で使用したり、屋外での使用中に突然の雨に降られても問題なく使用することができる。
震災時であっても、手回し充電が本格稼働することはおそらく無いだろう。特に、手回し充電で携帯充電を行うのは現実的ではないので、乾電池を備えていることが望ましい。そうであっても、乾電池も無くなってしまった際に手回し充電にてラジオを聞いたりライトを使用することができる事は大きい。1分間の手回し充電でラジオなら50分(FM)〜75分(AM)、ライトなら約15分使用することができる。最悪の場合、スマートフォンも40分の待ち受けと1分の連続通話が可能なので、実際に使用できる分量をあらかじめ確認しておく事が重要だろう。