クッカー(調理器具)の性能を計る場合、一つの基準となるのが米を炊くというものだ。あくまでも基準ではあるので、お湯を沸かすだけ、スープを作る、炒め物をする、などでは若干基準も変わってくる。
トランギアのメ「メスティン」はレギュラーサイズとラージがあり、レギュラーでは1合、ラージでは2合炊く事ができるどちらも水加減はリベットの位置まで入れるというわかりやすいガイドがあるのでいちいち計量しなくとも良いのが便利だ。比較的薄いアルミ素材だが、火の廻りもよく、充分に浸水させていれば良い感じに炊き上げる事ができる。
スノーピークの「アルミパーソナルクッカーセット」も、小が1合、大が2合炊ける。小は400の位置、大は800の位置がちょうど良い。フタの合わせが緩やかなので、少し多めに水を入れて火加減は慎重に見る必要がある。こちらも充分浸水させておく必要がある。
ユニフレームの「山クッカー角型 3」は大小の鍋とフッ素加工されたフライパンのセット。こちらも小で1合、大で2合炊ける。水加減は大小ともに下のリベットの位置あたり。アルミが肉厚なのでどのクッカーよりも良い感じに炊きあがる。ちなみに、大のクッカーは袋ラーメンを割らずにそのまま茹でる事ができるのもポイント。
いずれの場合も充分に浸水させる(最低30分〜1時間程度)ことで芯が残らず、焦げ付きもせずにふっくら美味しく炊ける。調理時間の目安は15分だが、火力の強い火器では若干早めに火を止めた方が良い。蒸気が勢いよく吹き出て吹きこぼれる状態になったら少し火を弱めて沸騰しているような音からパチパチという音に変わったら火の止め時。アルコールストーブの場合火を弱める事ができないので、燃やす燃料を調節するか、パチパチ音が鳴り始めたら火から下ろす。ガスやガソリンストーブなどは火力調整ができるので便利。火から下ろしたら10分〜15分程度蒸らせば完成。
経験上、うまく炊けたのはアルミ製の「山クッカー角型 3」と「メスティン」で、「アルミパーソナルクッカーセット」は試行錯誤の結果水を多め、火加減に注意しながらでうまく炊けるアタリが付けられた。いずれの場合も、五穀米など雑穀を混ぜて炊くと焦げやすい傾向が見られたので、白米のみで炊くのが良いだろう。
チタン製のクッカーでも試してみたが、火力調整が難しい上に、早めに火から下ろしてもどうしても一部が焦げる(そして鍋も焦げ付く)ので米を炊くにはむかないと思う。袋に入った野菜炒め用のカット野菜などを利用して野菜スープなどを作るのはチタンクッカーでも充分おこなえた。
ちなみに、「チヌーク キャニオン ハードアノダイズド フライパン」は肉厚のアルミ製で、ハードアノダイズ加工されているので手入れも簡単。すき焼きにも、ステーキを焼くにもちょうど良い感じで、おかずメーカーとしてかなり優秀。本格調理をするなら、アルミ製のクッカーに軍配が上がるだろう。