防災スタイル:ビニール袋でご飯を炊く方法

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飲料水が限られているキャンプなどのアウトドア、災害時などでの調理には、普段と異なる調理方法が必要となる場合がある。非常食の備蓄が充分でない場合、通常備蓄(買い置き)の米などを、制限された状況(電気炊飯器が使用できない、飲料水が充分に無い、など)の中で調理する方法を紹介する。

今回は、2種類のビニール袋を利用しているが、同じ種類のビニール袋でももちろん問題ない。今回使用したのは内袋に100円ショップで買ったチャック付きのストックバッグ(冷凍保存用)と、外袋にポリエチレン製の普通のストックバッグ(ビニール袋)。内袋にチャック付きのストックバッグを使用したのは、一合づつ小分けにして保存、準備しておける事と、メモ欄に調理方法などをメモしておくことができるから。

調理する際には、米1合に対して同量〜200cc程度の水を入れ、30分ほど浸しておく。水を入れたら、外袋の口を緩く縛っておく。内袋のチャックは、完全には閉めないでおいた。今回使用した米は無洗米。研いだ米を入れても良いし、普通の米を研がずに使用しても良い。米以外の野菜や肉なども同様の方法で調理できるので、いろいろと試してみると良いだろう。

アウトドア用のクッカーに袋を入れ、茹でるための水を入れる。今回は0.6リットルのアルミ製クッカーを使用。効率よく温めるためにレトルト食品の袋も一緒に入れた。温める際に必要とした水はクッカーの縁近くまで満たして250〜300ccくらい。500mlのペットボトルの水を使用した場合、ちょうど一本で炊飯用と温め用に使用できる計算。ジェットボイルを持っている場合には、より効率的に調理することができるだろう。調理用の水は、スープやコーヒー、お茶などの飲用に再利用できる。

温める際、火は強すぎないよう調整した方が良い。イメージとしてはクッカーの底に火が当たる程度で、側面まで火が回るような火力だとビニール袋が溶けてしまう恐れがある。季節や好みの固さなど諸要件で時間は変わるが、おおよそ15分〜20分程度茹でると完成。柔らかく仕上げたい場合には水を多めに入れるなど、あらかじめ試しておくと良いだろう。

完成。熱くなっているので、袋を開けるには注意が必要。固く結んでいるとほどくのに苦労する。内袋をチャック付きストックバッグ(冷凍用)にしたので、他の袋を使用するよりも若干しっかりした感じに。非常時はこのまま食器代わりにして直接食べると汚れ物が出なくて良いだろう。食品と茹でるお湯は直接触れる訳ではないので、飲料水の確保が容易ではない場合には、飲用に適さない水を煮炊き用に使用する事も出来る。

盛りつけ例。今回は、普通のお皿に盛りつけたが、非常時の場合はクッカーや食器にビニール袋を被せ(外袋が破れてなければそれを使用するとなお良い)、その上にに盛りつければ食器を洗う必要が無い。今回、1合の米に200gのレトルトカレーを使用したが、女性であれば二人でわけても良いくらいの分量だろう。その場合、半分はビニール袋を被せた食器に盛りつけ、半分は先ほどの調理用の袋にカレーをかける、もしくはレトルト食品の袋にご飯を入れるパターンにする。今回はカレーを選択したが、缶詰を温めておかずにしたり、ふりかけなどを使用しても良い。特に、通常のお米を研がずに調理した場合には、ふりかけなどの匂いや味が強いおかず、添加食品を併用する事で気にならなくなる効果も得られる。

外袋にレトルト食品の袋、ストックバッグ、その他のゴミを入れて処分する。ゴミを最小限にできるので、非常時だけでなく、キャンプやトレッキングなどのアウトドアでも活用してみてはどうだろうか?

今回紹介した方法は、食器を汚さない、お湯を沸かす環境(装備)があれば調理できると言う点で覚えておいて損は無い方法だと思う。

炊事施設が整ったキャンプ場などでは洗い物も容易で、しかもその行程は短期間なので容器の再利用すらあまり気にしなくともよいが、災害時や複数行程のキャンプ、トレッキングなどでは洗い物、ゴミ処理などの回数はなるべく減らした方が負担は少なくなる。

最後に、今回紹介した方法をはじめ、防災やアウトドアでのTips、ノウハウなどは、余裕のある時に実際に試しておくと良いだろう。例えば、食器にビニール袋を被せて使用するというのは、盛りつけた食品が意外に滑るので、食器からこぼさないようにするのにもコツがいる。また、肉や魚などを取り分ける際には、そのまま口に運べる大きさにしてから取り分けた方が良い。切り分ける作業の時に食器からこぼさないためと、切り分ける作業でビニール袋を傷つけてしまい、結局洗い物が増えるという事を防ぐためだ。

防災サイトやTV番組などで紹介された方法は、余裕がある時にいろいろと試してみると、実際に行った時の問題点がわかるので、是非、一度は試してみて欲しい。実際に試せば、アルミ缶でご飯を炊くという方法が役に立つ状況がほぼ無いと言う事も実感できるだろう。

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