震災対策技術展レポート:東北大学 東北アジア研究センター

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東北大学 東北アジア研究センターブースでは、金属探知機にレーダーを組み込んだ地雷探査装置とその技術を利用した、地滑り・被災建造物検査用地上設置型合成開口レーダ(GB-SAR)および被災者捜索用地中レーダ(GPR)が展示されていた。

展示されていた地雷探査装置は、従来の金属探知機のみのものと異なり、レーダーを組み合わせ地中に埋まった地雷の形状を映し出す事で、より精度が高い地雷検知が可能だと言う。地雷が埋没されている地域には、釘や薬莢その他の金属片も多く埋まっており、金属探知機のみの場合、全てに反応してしまうので、処理効率が悪かったが、レーダーを組み合わせると地雷の形状が確認されたものだけを処理すれば良いので処理効率が劇的に向上するという。

また、iRobot社の地雷除去ロボットなどとの違いについては、地雷を叩いて爆発させる方式の場合、地雷の爆破によって、不発地雷が飛散してしまうため、結局のところ地雷探査装置にて処理したエリアを探知しなければならないという(その際、爆破済みの破片にも金属探知機のみの場合には反応するので効率が悪い)。どちらが優れているとかそういう事ではなく、どちらも必要な技術であるとの事。

その原理を応用して、震災時など地中に埋まってしまったクルマなどの探知にも役立ったり、震災被害のあった木造家屋に使用する事で、釘や鎹などが変形、破損していないかを非破壊的に検査することができるので、今後の木造家屋の耐震検査などにも活用して欲しいという。