災害時を想定し、災害初日に缶入りの保存食を食べた後、次の食事の際、空き缶を利用してビニール袋炊飯をするという想定で実際に試してみた。今回は、固形燃料(エスビット)を使用。
レギュラータブレットを4つ(16g)使ったが、結果的には、もう一つが二つ、合計で20g程度使っても良かったかもしれない結果になった。
ビスコ缶は、一般的なクッカーと比較して金属容器が薄いのとクッカーとして専用設計ではないと言う事もあり、ビニール袋が一部熱で溶けて炊飯の汁が煮汁に染み出る事になった。底に接触しないようにうまく配置を工夫するなどすれば良かった。
また、4つのタブレットで約15分燃焼。沸騰してから10分程度加熱したが、どうやら加熱時間が足りなかったようだ。燃料を増やすか、燃料が尽きてもしばらく放置して余熱で調理する、もう少し長く水に浸しておく、などを行えば良かったかもしれない。芯が残って固い状態で食すより、少し柔らかめに炊きあがる状態の方が非常時には良いかと思う。
固形燃料は、アルコールバーナーと比較して、燃焼時にニオイや煤が出るのと、湿気に弱い(湿気を吸いやすく、加水分解される)のがマイナスポイント。利点は、液体ではないのでこぼれないし、軽量で取り扱いやすく携帯性にも優れている点。火力もお湯を沸かすなどの用途では十分な火力。
お湯を沸かすなどのシンプルな用途でしか使用しない、アウトドア初心者が防災用などとして用意する、もしくは初めてのキャンプ用ストーブ(コンロ)として使用する場合、価格も安価なので良い選択肢かと思う。また、他の本格的なバーナー(コンロ)を持っている人がバックアップ(予備)として持つにも適している。
アルコールバーナー(トランギアなど)を持っている人は、エスビットの折りたたみコンロよりも、組み立て式の風防兼ゴトクの方が、固形燃料およびアルコールバーナーのゴトクとしての両方で使用できるので、こちらの方が良いかもしれない。
タブレットは、今回レギュラーを使用したが、どうせ1つづつは使用しないので、16gの塊になっているミリタリータブレットのほうをおススメする。梱包も、レギュラーは開封すると一気に湿気る可能性があるが、ミリタリーは、個別包装になっているので湿気に強い。
今回の想定は、災害発生初日に、すぐ食べられるビスコ缶を開けて、その次の食事に冷蔵庫に入っている足の速い食品を副食として調理して食べてしまうという事で、卵とベーコンをプライパンで焼いておかずとした。
ベーコンを焼いた後の脂で卵を焼き、盛りつけた後のフライパンにご飯をあけてレトルトカレーをかけた。
余った水でコーヒーを淹れる。残ったビスコもデザート代わりに。
エスビットストーブのセット、予備の固形燃料、マッチなどの着火用具、残りの包みなどは缶の中に再び収納する事が可能。